2004年12月26日に起きたスマトラ沖地震・津波でもっとも被害を受けたアチェ状況と支援活動について、インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA)が伝えます。


by NINDJA
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●もう一つの「津波」 byジョン・ピルジャー

 米国や英国の津波犠牲者に対する支援は、ステルス爆撃機1機の値段やイラク占領1週間にかかる費用、他国への軍事支援よりも少ない。世界各地で支援が大規模になり、世論対策上まずいことが明らかとなってから、両国は援助を増額した。それでも、英国の津波犠牲者に対する「寛大な」支援は、イラク侵略前の空爆にかかった費用8億ポンドの16分の1、インドネシア国軍のホーク戦闘爆撃機購入に対するソフト・ローン10億ポンドの20分の1ほどでしかない。
 ブレア政権は2004年11月24日、「インドネシア国軍の防衛能力を緊急に見直す必要性に対処する目的で」(ジャカルタ・ポスト紙)ジャカルタで開催された兵器見本市を後援した。インドネシア国軍はアチェで2万人以上の市民や「反乱者」を殺害してきた。見本市に出展したロールスロイスはホーク戦闘爆撃機のエンジン・メーカーであり、同機は英国から購入されたスコーピオン装甲車やマシンガン、弾薬とともに、アチェの人びとの殺害や弾圧に用いられてきた。
 オーストラリア政府は被災者に対するそれほど大きくない支援で脚光を浴びているが、アチェでの残虐行為が頻繁に報告されている陸軍特殊部隊を秘密裏に訓練してきた。これは同国が40年にわたってインドネシアにおける抑圧を支援してきたことと軌を一にしており、国軍が東ティモールの人口の3分の1を虐殺するあいだスハルトに献身してきた。ハワード政権は現在、東ティモールへの石油・天然ガス採掘権料約80億ドル分を否定しており、国際海洋法に公然と反抗している。最貧国の東ティモールではこの収入がないと、学校、病院、道路を建設したり、失業率が90%にのぼる若者に仕事を与えられない。
 世界の支配者および共謀者の偽善、ナルシシズム、偽りのプロパガンダが総動員されている。こうした人びとの人道的意志に対する最高の賛辞が溢れるいっぽうで、ニュースでは犠牲者に価値があるか否かによって人道性の発揮が異なっていることが顕著となっている。大自然災害の犠牲者には価値があり(いつまで続くかはたしかではないが)、帝国的な人災の犠牲者には価値がなく、言及されることがほとんどない。レポーターたちはどうも、「わたしたちの」政府の支援を受けてアチェで何が起こってきたのかについて報告する気になれないようだ。この一方的な倫理上の鏡により、わたしたちはもう一つの津波である破壊と大虐殺の足跡を無視することができる。(後略)(New Stateman, 05/01/10)
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by NINDJA | 2005-01-10 00:00 | 援助の問題