2004年12月26日に起きたスマトラ沖地震・津波でもっとも被害を受けたアチェ状況と支援活動について、インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA)が伝えます。


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●声明「津波を機にインドネシア国軍への規制が緩和されてはならない」

 東ティモールアクションネットワーク(ETAN)は13日、米国議会とブッシュ政権に対し、数々の人権侵害を理由にアメリカが過去10年以上続けてきたインドネシア国軍支援の制限を今後も継続するよう求めた。
 ETANの広報ジョン・ミラー氏は、「今回の津波を理由に、米国のインドネシアに対する制限が緩和されてはならない。国軍の残忍な体質が変わっていないことは、津波後の国軍の対応を見ても明らかだ」と述べた。さらに、ETANのワシントンコーディネーターであるカレン・オレンステインは「国軍は、米国からの支援を政治的目的のために利用するつもりだ。誰も今回の災害を政治目的のために利用すべきではない。人道支援は新たな非人道的軍事介入を阻止するもの、と明確に定められる必要がある。わたしたちは、ペンタゴンや他機関が国軍支援の規制緩和を進めていると聞き、大変失望している」と加えた。
 不平等な物資分配、海外救援団体への賄賂要求など、国軍による救援活動の妨害は多数報告されている。いっぽうでインドネシア政府は先日、危険がないにもかかわらず、海外の団体がバンダ・アチェとムラボー以外で救援活動をおこなう際には、国軍の同行を義務付けると定めた。
 ミラーはまた、「国軍と政府は、人道支援の名のもとに、聖戦部隊をアチェに入れている。東ティモールの例を見てもわかるように、国軍は民兵を操り、紛争を扇動しようとしている」と述べている。
 いっぽうで、パウエル米国務長官は先日、C-130軍用機の部品の譲渡をインドネシア政府に申し出た。これに対しミラーは、「米国からインドネシア政府に渡った武器は、東ティモールで多くの民間人を殺害するためにつかわれた。もし今回米国が何らかの軍事装備を提供するなら、責任をもって、それらがアチェや西パプアなどの地域で人権侵害に用いられるのを防がなければならない」と述べた。

背景
<米国のインドネシア軍支援制限に関する背景>
 米国議会は1991年、東ティモールのサンタ・クルス墓地で国軍が米国製の武器をつかって起こした虐殺を機に、国軍への軍事支援の制限を開始、さらに1999年、インドネシアの東ティモール攻撃後は、国軍と結んでいた一切の協定を破棄した。議会は2004年11月、国軍への貸付と武器輸出の制限の延長を以下の条件の不履行を理由に決めた。
①人権侵害をおこなった、また支援した軍事関係者を処罰すること
②国際テロ組織と戦うこと
③国軍の財政状況を透明化すること

<アチェに関する背景>
 スマトラ島の北端に位置するアチェは、アジアでもっとも長く紛争が続いている場所の一つである。自由アチェ運動(GAM)がインドネシアからの独立を求めて戦っている。インドネシア政府とGAMは2002年12月9日に停戦協定を結んだが、2003年5月19日、ときの大統領メガワティ・スカルノプトリがアチェに軍事戒厳令を発動し、協定は破られた。直後にインドネシアは、1975年の東ティモール侵攻以来最大の軍事作戦をアチェで展開した。その後もアチェは、国軍の支配下におかれ、事態は変わっていない。この間、たびたび米国の軍事機などがアチェでの軍事作戦につかわれた。
 国軍は、今回の津波による緊急事態にもかかわらず、GAM掃討作戦の継続を発表している。インドネシアの残忍な軍事作戦によってアチェ独立派への支持は、より強固なものとなっている。今回、国軍が救援活動の名の下にアチェに動員したイスラーム過激派の聖戦部隊は、これまで、国軍に反対する者を攻撃し、外国人を脅し、争いを悪化させてきた組織である。(ETAN, 05/01/13)
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by NINDJA | 2005-01-13 12:00 | 軍事作戦・人権侵害