2004年12月26日に起きたスマトラ沖地震・津波でもっとも被害を受けたアチェ状況と支援活動について、インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA)が伝えます。


by NINDJA
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●インドネシアはなぜおそれているのか

 昨年末インドネシアを襲った地震と津波の被害者救助のため、もっとも被害の大きかったアチェに豪・米国を中心として世界中から何千人もの兵士、援助隊、救援物資が送られている。
 災害前には、インドネシアに外国の軍隊が入るということは考えられないことだった。これは主にインドネシア国軍と数十年の間独立を求めて闘っている自由アチェ運動(GAM)とのあいだの紛争が続いていたためである。また、国軍の国内での人権侵害、残虐行為のため、米国政府はインドネシアとの軍事関係を凍結していた。しかし、現在は外国からの軍隊と国軍が協力してアチェの犠牲者救出に取り組んでおり、アチェの人びとがこれに感謝していることはたしかであろう。
 しかし、ユスフ・カラ副大統領が津波発生の3週間後「外国の軍隊は遅くとも3月までにアチェから撤退して欲しい。3カ月あれば十分である。早く撤退できればなおよい。われわれに外国の軍隊は必要ない」と発表するなど、インドネシア政府は、諸外国からの援助を不信感をもって受けとめている。
 外国の軍隊は、フィリピンにおけるように政府とモロ・イスラーム解放戦線との紛争の応援に来たわけではなく、自然災害の犠牲者救出のためインドネシアに来た。また、彼らは経済負担や返済すべき借款を政府に課すものでもない。その上、3カ月以上かかる救援・復興活動について、インドネシア政府は単独で負担できる資源・財源をもっていない。現在、政府はおよそ4800万米ドルの対外債務を負っており、復興にかかるとされる300万米ドルを今年返済しなければならないのである。
 このように、外国の軍隊に対し3月までに撤退してほしいとするインドネシア政府の発表は、不必要、不適切であり、恩知らずなものである。こうした外国人に対する猜疑心は、今回がはじめてではない。スカルノ初代大統領の時代からそうであったし、2004年大統領選挙時も民主的な選挙が実施されるようモニタリングにやってきた国際・国内機関に対し、選挙の結果を干渉していると非難した。当時のクイック・キアン・ギー国家開発企画庁長官は、閣僚会議で「外国人は7月5日大統領選挙後の世論を動揺させた」と発言している。
 しかし、なぜインドネシア政府は、津波災害後以前にもまして必要となっているにもかかわらず、そんなに早く外国の軍隊をアチェから追い出したいのか。もっとも説得力のある答えは、外国の兵士や援助活動に携わる人びとが、国軍はできないのに、アチェの人びとの人心を掌握しつつあるということである。外国人は信用できないと言われていたのに、いまは援助を受けている。外国人は国内の天然資源をつかい果たすためにやってくると言われていたのに、いまは食糧の援助を受けている。そして、これまで国軍による暴力にさらされてきたのに、現在は外国の軍隊に援助を受けているのである。
 インドネシア政府が外国人嫌いを排除するときがやってきた。外国人嫌いはインドネシアにも、そして国際社会との関係上も望ましくないことである。アチェ復興のためには、国際協力、人道支援、信頼が欠かせない。(The Australian, 05/01/18)
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by NINDJA | 2005-01-18 12:00 | 外国軍・援助機関の規制