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2004年12月26日に起きたスマトラ沖地震・津波でもっとも被害を受けたアチェ状況と支援活動について、インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA)が伝えます。


by NINDJA
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●アチェでインフレと闘う支援スタッフ

 3週間前の津波で、被災地域の住民の心はいまだ傷ついている。しかし、カンボジア、東ティモール、アフガニスタンなどのように、現地住民のなかには大規模な救援団の到着を一攫千金のチャンスとみている者もある。
 津波以降、通訳として働いているノウバンドはユニセフの運転手にこう言われたという。「これは、われわれが、いろいろなものを手に入れるチャンスだ。だから、頭をつかってよく考えるのだ。いま稼げるだけ稼いでおかねばならない」
 援助資金が原動力となって現地経済は再び動きはじめている。しかし、インフレや現地専門家の「頭脳流出」を含む問題が発生している。
 需要と供給のバランスが崩れ、食糧の価格は上昇している。コメや砂糖の価格は10~20%上昇して、アチェ人の経済状態を苦しめている。もっとも価格が上昇したのが、支援スタッフ用の車や運転手、通訳、家賃などのサービス費用だ。車のレンタル代は津波後、50ドルから100ドルにまで跳ね上がった。
 大規模な支援がおこなわれている場所では、モノの価格が上昇し、二重経済を生み出している。アチェの場合、アチェ人経済と外国人経済である。
 問題の解決が難航しそうなことに対し、UNDPのケイは「多くの団体が、突然の膨大な金銭と外国人の流入から派生する危険に備え、何らかの防御策をとっている」と述べた。ケイは、インフレ対策のため、被災者に仕事や現金を与えるなどのプログラムを指摘している。
 ある程度の、インフレによる価格上昇は避けられないという人もいる。緊急救援の最中に、その影響を考えるのは早すぎるというのである。しかし、多くの団体が入ってくる前に、影響を考慮しておく必要があるという人もいる。
 OXFAMのレグリンは「これからも多くのNGOが入ってくるだろう。だからいまのうちからその影響について考えておくべきだ」と語る。「多くの人が迅速に動いているが、まだ緊急事態は脱していない。国際支援やお金の流入がどのような悪影響を及ぼすのか、そしてその影響をどうしたら軽減できるのかを考えなければならない」(The Christian Science Monitor, 05/01/19)
by NINDJA | 2005-01-19 12:00 | 援助の問題