2004年12月26日に起きたスマトラ沖地震・津波でもっとも被害を受けたアチェ状況と支援活動について、インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA)が伝えます。


by NINDJA
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●ジャカルタのジレンマ:いかにして必要な海外からの支援を断るか

 歴史上はじめて、アメリカ空母エイブラハム・リンカーンがアチェ沖に停泊した。空母は、津波の被害者への救援物資配給活動をおこなっている。米軍によって届けられた物資に対し、受け取った人びとは喜んでいる。
 しかし、インドネシアのなかに、海外からの支援を懸念する勢力が存在する。それは、政治エリートや知識人、インドネシア国軍やイスラーム過激派だ。彼らは国内で無視できない存在である。インドネシア人は、つねに自分の運命を自分たちで決めたいのだが、さまざまな事情によって、いくどとなく、海外に支援を要請しなくてはならない状況に追い込まれてきた。
 外国からの溢れんばかりの支援は、外国人に猜疑的な多くのインドネシア人の気持ちを変えていない。なかには、外国人は人道支援を装って、別の目的で国に入り込もうとしている、と考えている人もいる。
 シャムシル・シレガル国家情報庁長官は、「インドネシアに来ている米軍には人道支援のほかに、世界の貿易の中心マラッカ海峡を見張るという目的もある。彼らの活動には感謝しているが、われわれはその行動をつねにチェックする必要がある」と述べた。
 この考え方の一部は、独立直後の歴史に由来する。インドネシアは、1950年代、米国が秘密裏に南スラウェシとスマトラ島の独立派を支援したことをいまも忘れてはいない。同じく、1999年にオーストラリアが東ティモールの独立を支援したことも忘れてはいないのだ。
 宗教の側面も関係している。イスラーム強硬派にとって今回の海外支援は、苦しんでいる人びとを援助をつかってキリスト教に改宗させようとする動きにほかならない。
 これら勢力をなだめるため、ユスフ・カラ副大統領は、海外からの救援活動者たちは3月26日までに国外退去するように、と発表した(のちに撤回)。『ジャカルタ・ポスト』紙は、これらの雰囲気を、「外国人嫌いは津波の被害者を思う気持ちに勝る」と報じた。
 いっぽうで、シンガポールとマレーシアはこれまでの友好関係により、信頼されている。
 シンガポールはインドネシアにとって重要な存在だ。シンガポールは大国に意見を言える。津波サミットはシンガポールのおかげで実現したようなものだ。ユスフ・カラ副大統領は、「災害後ただちに救援に駆けつけてくれたシンガポール、マレーシア、米国、オーストラリアとは、長期にわたり政治的、経済的結びつきが強まるだろう」と述べた。(The Straits Times, 05/01/26)
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by NINDJA | 2005-01-26 12:00 | 援助の問題