2004年12月26日に起きたスマトラ沖地震・津波でもっとも被害を受けたアチェ状況と支援活動について、インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA)が伝えます。


by NINDJA
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2005年 01月 13日 ( 4 )

 国境なき医師団がシグリ(ピディ県)で活動すべく、アチェの外務省デスクに報告したが、ムラボー(西アチェ県)に行くよう命じられ、シグリ行きの許可はおりなかった。国境なき医師団は、この間、シグリとムラボーで活動をおこなっていた。国境なき医師団は、2000人いる外国人援助ワーカーに対するインドネシア政府の新たな規制の最初の犠牲者となった。
 すべての外国人は、外務省デスクで、どこに、何をしに、なぜ行くのか説明し、登録をおこなわなくてはならない。この登録用紙は、アチェ州警察、国軍に提出され、警察か国軍の同行が必要かどうか判断される。もし規則に従わなければ、アチェから退去させられる可能性もある。オーストラリアのハワード首相は、この規制について「グッド・アイディア」と支持している。(Jakarta Post, 05/01/13)
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by NINDJA | 2005-01-13 12:00 | 外国軍・援助機関の規制
 インドネシア政府は12日、救援活動をしているすべての外国軍に3月末までの退去を命じた。これは、外国軍に頼りすぎている救援活動における指揮を取り戻そうとするもので、その期限は、津波の起きた12月26日から3カ月後の3月26日に設定された。ジャカルタでは、外国軍の滞在がインドネシアの主権を脅かしている、という声が高まっている。ジャカルタでは、「次にアメリカの標的になるのはインドネシアか?」という匿名メールが携帯電話に広まっているという。(The New York Times, 05/01/13)

※元駐インドネシア大使だったウォルフォヴィッツ国防副長官は、週末、ジャカルタを訪問する。ウォルフォヴィッツは、インドネシア高級官僚と会合をもち、アメリカはインドネシアとの新たな軍事協調関係構築について話し合う予定である。
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by NINDJA | 2005-01-13 12:00 | 外国軍・援助機関の規制
 マレーシアのボランティアグループ(Amal Foundation of Malaysia)は12日、医薬品などをアチェの被害者に届ける途中、メダン=アチェ間のインドネシア国軍の検問所で、賄賂(50万ルピア)の支払いを強要された。
 国軍兵士ははじめ200万ルピアを要求していたが、「これは、マレーシアの人びとがアチェにいる津波の犠牲者のために寄付したものだ」とのグループの訴えに50万ルピアに値下げしたという。グループは、午前1時半ごろ検問所で止められ、メンバーのリストと、インドネシア政府からの許可証の提示を求められた。しかし、必要な書類を提示しても、兵士は「新しい規則で、ここから先は物資の配給が禁止になった」と言い、通過を許さなかった。抗議するグループに対し、兵士は「カネで解決できる」と言い賄賂を要求した。
 グループのリーダーLo' Lo'は、国軍兵士の態度に失望し、「こんな経験ははじめてだ。インドネシア政府がこれらの汚職体質改善のために最善を尽くすことを期待する。さもないと、国外からの救援活動を妨げる恐れある」と述べている。国外からの物資や資金の流入に伴い、メダンやアチェでは国軍兵士の汚職に関する申し立てが広がっている。
 アチェ人によると、汚職は幅広く広がっており、それによって救援物資がまったく届いてない人びともいるという。バンダ・アチェから車で1時間ほどのインドラプリ村の人びとも、まったく救援物資を受け取っていない。彼らは、「信じ難いかもしれないが、本当にこの2週間なんの物資も届いていない。物資をこの村に運んできて欲しい」と、切実に訴えた。彼らはまた、「インドネシア政府は、避難民キャンプ外の人びとに物資を配給する努力をしていない」と話している。(Malaysiakini, 05/01/13)
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by NINDJA | 2005-01-13 12:00 | 国軍の援助妨害
 東ティモールアクションネットワーク(ETAN)は13日、米国議会とブッシュ政権に対し、数々の人権侵害を理由にアメリカが過去10年以上続けてきたインドネシア国軍支援の制限を今後も継続するよう求めた。
 ETANの広報ジョン・ミラー氏は、「今回の津波を理由に、米国のインドネシアに対する制限が緩和されてはならない。国軍の残忍な体質が変わっていないことは、津波後の国軍の対応を見ても明らかだ」と述べた。さらに、ETANのワシントンコーディネーターであるカレン・オレンステインは「国軍は、米国からの支援を政治的目的のために利用するつもりだ。誰も今回の災害を政治目的のために利用すべきではない。人道支援は新たな非人道的軍事介入を阻止するもの、と明確に定められる必要がある。わたしたちは、ペンタゴンや他機関が国軍支援の規制緩和を進めていると聞き、大変失望している」と加えた。
 不平等な物資分配、海外救援団体への賄賂要求など、国軍による救援活動の妨害は多数報告されている。いっぽうでインドネシア政府は先日、危険がないにもかかわらず、海外の団体がバンダ・アチェとムラボー以外で救援活動をおこなう際には、国軍の同行を義務付けると定めた。
 ミラーはまた、「国軍と政府は、人道支援の名のもとに、聖戦部隊をアチェに入れている。東ティモールの例を見てもわかるように、国軍は民兵を操り、紛争を扇動しようとしている」と述べている。
 いっぽうで、パウエル米国務長官は先日、C-130軍用機の部品の譲渡をインドネシア政府に申し出た。これに対しミラーは、「米国からインドネシア政府に渡った武器は、東ティモールで多くの民間人を殺害するためにつかわれた。もし今回米国が何らかの軍事装備を提供するなら、責任をもって、それらがアチェや西パプアなどの地域で人権侵害に用いられるのを防がなければならない」と述べた。

背景
<米国のインドネシア軍支援制限に関する背景>
 米国議会は1991年、東ティモールのサンタ・クルス墓地で国軍が米国製の武器をつかって起こした虐殺を機に、国軍への軍事支援の制限を開始、さらに1999年、インドネシアの東ティモール攻撃後は、国軍と結んでいた一切の協定を破棄した。議会は2004年11月、国軍への貸付と武器輸出の制限の延長を以下の条件の不履行を理由に決めた。
①人権侵害をおこなった、また支援した軍事関係者を処罰すること
②国際テロ組織と戦うこと
③国軍の財政状況を透明化すること

<アチェに関する背景>
 スマトラ島の北端に位置するアチェは、アジアでもっとも長く紛争が続いている場所の一つである。自由アチェ運動(GAM)がインドネシアからの独立を求めて戦っている。インドネシア政府とGAMは2002年12月9日に停戦協定を結んだが、2003年5月19日、ときの大統領メガワティ・スカルノプトリがアチェに軍事戒厳令を発動し、協定は破られた。直後にインドネシアは、1975年の東ティモール侵攻以来最大の軍事作戦をアチェで展開した。その後もアチェは、国軍の支配下におかれ、事態は変わっていない。この間、たびたび米国の軍事機などがアチェでの軍事作戦につかわれた。
 国軍は、今回の津波による緊急事態にもかかわらず、GAM掃討作戦の継続を発表している。インドネシアの残忍な軍事作戦によってアチェ独立派への支持は、より強固なものとなっている。今回、国軍が救援活動の名の下にアチェに動員したイスラーム過激派の聖戦部隊は、これまで、国軍に反対する者を攻撃し、外国人を脅し、争いを悪化させてきた組織である。(ETAN, 05/01/13)
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by NINDJA | 2005-01-13 12:00 | 軍事作戦・人権侵害