2004年12月26日に起きたスマトラ沖地震・津波でもっとも被害を受けたアチェ状況と支援活動について、インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA)が伝えます。


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カテゴリ:軍事作戦・人権侵害( 85 )

●各地でつづく人権侵害

○ボランティア射撃される(バンダアチェ=アジュン道路)、2月18日
 FOMAPAK(学生・青年反暴力戦線)ボランティアのマシュディ(ユディ)とファドリ・ユスフが、フィールド調査からの帰りに射撃された。
 2人はバンダアチェ=アジュン道路をオートバイで走っていたところ、後ろから、色つき窓ガラスで、赤のキジャン(車種)がついてきた。
 突然車から「ユディ」と呼ぶ声が聞こえ、2発発砲された。マシュディは足を撃たれ、ファドリは胸を撃たれた。
 現在、ファドリはバンダアチェ内のザイナル・アビディン病院に入院しており、マシュディは身を隠している。
 なお報告によると、マシュディはドイツ人の医者に治療を受けたという。

○恣意的逮捕と虐待(大アチェ県ダルル・イマラ)、2月15日
 大アチェ県ダルル・イマラに住むイムラン・ビン、スライマン(25歳)が、インドネシア国軍によって逮捕された。
 逮捕された犠牲者は、暴行、虐待を受け、自由アチェ運動(GAM)メンバーだと非難された。

○移動規制、小規模な汚職、強制労働(東アチェ県ヌルサラムAim 7)、1月31日
 ヌルサラムのインドネシア国軍は、公共交通手段であるオートバイや自転車の運転手や、ゴム農園で働く人びとに、Aim 7エリアへの出入について報告することを命令した。また、彼らは国軍にタバコを渡せと命令されたり、女性は料理用の水を運ばされたり、薪を集めよう命令されたりしている。

○武力衝突(東アチェ県ラントー・スラマット郡アル・クンバ)、1月31日
武装したGAMとインドネシア国軍が東アチェ県ラントー・スラマットで武力衝突、3人の国軍兵士が死亡した。(NINDJA, 05/02/21)
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by NINDJA | 2005-02-21 12:00 | 軍事作戦・人権侵害
 17日、大アチェ県インドラプリ郡ランパナで、インドネシア国軍と自由アチェ運動(GAM)の武力衝突が起き、指名手配されていた4人のGAMメンバーが死亡したた。
 第0101/大アチェ軍分区司令官ジョコ・ワルシトは、第302歩兵大隊が、インドラプリ郡で通常のパトロールをおこなっていた際に、衝突が起きたと述べている。「国軍が人道救援の任務があるといっても、治安問題もまた国軍の責務だ。通常のパトロールは、引き続きおこなわれている」
 いっぽうGAMアチェ・ラユッ(大アチェ)地区司令官は、この武力衝突で、3人のGAMメンバーと1人の民間人が死亡したと述べている。また攻撃も、国軍から仕掛けられたものだったという。(Acehkita.com, 05/02/17)
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by NINDJA | 2005-02-17 12:00 | 軍事作戦・人権侵害
 北アチェ県スヌドン郡の避難民6人が14日、トゥピン・クユン村駐屯の海兵隊第7/アナコンダ大隊メンバーに殴られた。避難民によると、西ウレェ・ルベック村で銃声が聞こえ、海兵隊員が掃討作戦をおこなったという。この掃討作戦中に、元の村の片づけをしていた6人が呼ばれ、殴られた。
 15日には、ロスコン郡の避難民ムルダニ(17歳)が、キャンプの救援ポストにいたロスコン地方裁判所職員ブユンによって殴られている。ムルダニが、救援ポストで、石けんを要求したのが理由だという。(NINDJA, 05/02/16)
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by NINDJA | 2005-02-16 12:00 | 軍事作戦・人権侵害
 イスカンダル・ムダ軍管区軍警察は13日、政府監視団(Gowa)コーディネーターであるファリド・ファキ殴打事件の容疑者として、国軍兵士6人を逮捕したことを明らかにした。
 アフマド・ヤニ・バスキ大佐によれば、昨夜まで空軍警察側はメダンのバヤンカラ病院でファリドと会うことを試みたが、ファリドの容態が悪いため(医療チームの説明)、事情聴取することはできなかったという。
 ファリド・ファキは代理人のダニエル・パンジャイタンを通じて、国軍兵士 9、10人に殴られたと述べている。
 いっぽう、容疑者のひとりであるスイェブ大尉は、殴打事件について、ファリドが国軍の所有する物資を取ったからだと主張している。(Acehkita.com, 05/02/13)
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by NINDJA | 2005-02-13 12:00 | 軍事作戦・人権侵害
 ジョコ・ワルシト第0101/大アチェ軍分区司令官は10日、大アチェ県ルプンで自由アチェ運動(GAM)と思しき住民を逮捕したことを明らかにした。2人は、インドネシア国軍所有の物資を盗んだという。証拠品として、国軍制服などの入った緑のカバンが押収された。
 逮捕されたシャリフディンは、自身がGAMメンバーではなく、ただの避難民だと述べている。彼は、友人たちと、インドネシア・アンダラス・セメント(SAI)社の瓦礫から鉄や真鍮を拾っているところだったという。そのとき、竹を燃やす音が聞こえ、 GAMの攻撃だと勘違いした海兵隊が発砲した。逃げ出した彼を、国軍は逮捕したという。シャリフディンはまた、押収品についても、津波で運ばれて道路で発見されたものだと述べている。
 現在、シャリフディンともう1人は、軍分区に勾留され、十数人の兵士から取調べを受けている。シャリフディンの唇は腫れ上がっている。(Acehkita.com, 05/02/10)
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by NINDJA | 2005-02-10 12:00 | 軍事作戦・人権侵害
*以下の特別リポートはアチェの地元人権団体ボランティアによる報告である。安全のために団体名は伏せる。

掃討作戦、所持品没収、誘拐、殴打、射殺(2005年2月2~3日)
事件発生地:東アチェ県東プルラック郡スヌボック村
攻撃者:国軍突撃隊クマラン2第312師団、機甲大隊3アダカ・サクティ
事件発生時刻:18時30分~19時45分

○住民を誘拐
 東プルラック郡アルー・ニローのブキット・テレコム駐屯の国軍突撃隊クマラン 2第 312師団と、アルー・ニロー通りスヌボック村駐屯の国軍機甲大隊3の合同部隊は、大規模な掃討作戦を展開した。この作戦に122人の兵士が動員され、 第346交差点のメダン=バンダ・アチェを結ぶ幹線道路沿い200mにわたり並んだ。
 個人の車両で移動中だった多くの一般市民が兵士に車と身分証明書(住民証)をチェックされた。村人の話によると、兵士は財布の中身も取り出し、女性の乗客から宝飾品を没収したりした。そして、多くの男性は殴られた。この事件の最中、クデ・アルー・ニローの住民ひとり(アブドゥルラフマン・ビン・スレイマン、38歳)がバンダ・アチェから 395km離れたプルラックの町に拠点を置く合同諜報部隊によって逮捕された。逮捕された男性は意識を失うまで殴られ、いまも消息不明である。
 19時15分にアブドゥラマンが逮捕されてから、XXX(安全のため名前は伏せる)のボランティア・チームはこの事件の調査を開始した。しかし、さらなる情報を得ることはできなかった。ボランティアは国軍に犠牲者の所在をたずねることができない。ボランティアも威嚇されており、国軍はもしこの事件に取り組む、またはメディアや国際グループに知らせれば、彼らを誘拐するか殺すと警告している。またアルー・ニロー以外の住民はこの村に入ることが許されていない。

○妊婦を射殺
 18時15分、一組の夫婦がプルラック・ラヤ郡ババ・クルンのドルスン・スカ・マクムル・アルー・オンからラント・スラマット郡スンゴー・ラヤに向けて出発した。彼らは妊産婦検診のため23km離れたクリニックを訪れるつもりだった。ニラワティ・ビンティ・アッバスは妊娠3ヶ月の身だった。
 約15分走ったクデ・アルー・ニローで、この夫婦は地元の人から止められ、国軍がこの付近で大規模な検問をおこなっており、多くの人が殴られたり、所持品を没収されたりしているので、これ以上先に進まない方がよいと警告された。夫婦はこの警告に謝辞を述べたが、住民証明書を所持しており、ただクリニックに検診に行くだけなので大丈夫だろうということで、そのまま目的地を目指した。
 しかし、夫は心配になり、ニルワティの両親の家に立ち寄った。ニルワティの父親トゥンク・ムハンマド・アッバスは自分が娘をクリニックに連れて行くと言った。ニルワティの妹が熱を出していたので、薬を買いたいということもあった。こうして父と娘はオートバイに乗ってクリニックを目指した。
 アルー・ニロー通りスヌボック村の検問所に着くやいなや、 5人の突撃隊兵士から止められ、住民証明書と行き先をチェックされたのち、通過を許可された。しかし、最初の検問所から145mしか行かない地点で父と娘は機甲隊の兵士から止められ、威嚇発砲された。最初のチェックポイントで何も問題がなかったため、父アッバスはオートバイを止めず、ただスピードを落としただけだった。突然、機甲第3部隊駐屯地にいた兵士が一発放った。撃てという命令は基地司令官ルビ・イスワディ中尉(NKP: 11010026970679)が発した。
 ニルワテ(21歳)は瞬く間に地面に落下し、父親アッバスは咄嗟にオートバイを止めた。犠牲者ニルワティは耳の真上の頭部をぶち抜かれた。彼女の耳は銃弾によりふたつに引き裂かれ、頭蓋骨からぶら下がっていた。数人の兵士が父親を取り囲んで、罵声を浴びせた。「停止しようとしなかったからこういうことになったんだ。さあ、子どもの死体を持ち帰って、埋葬しなよ」(Tapol, 05/02/07)
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by NINDJA | 2005-02-07 12:00 | 軍事作戦・人権侵害
 1月25日2時、北アチェ県タナ・パシール郡にある避難民キャンプで、6人の男性(クアラ・クルト村)が自由アチェ運動(GAM)に関与しているとして、タナ・パシール軍分支部(Koramil)兵士に逮捕された。Koramil兵士はさらに、クアラ・クルト村の住民19人がGAMに関与しているとして、投降するよう警告を与えた。事件について、インドネシアの民放TV局SCTVで放映され、逮捕された6人の両親は、現在、軍から脅迫されている。
 またタナ・パシール避難民キャンプでは、もともと学生ボランティアの救援ポストがあったが、Koramilによって解散させられている。(NINDJA, 05/02/05)
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by NINDJA | 2005-02-05 12:00 | 軍事作戦・人権侵害
 人権団体インパーシャル代表ラフランド・ナシディックは4日、過去に人権侵害に関わったと疑われる軍人の昇進に疑義を唱えた。
 軍幹部で正当性が問われているのは、第2/シリワンギ軍管区司令官に昇進した元陸軍特殊部隊司令官スリヤント少将、第011/リラワンサ軍分区司令官に昇進したハイラワン歩兵部隊大佐である。
 スリヤント少将は、1984年のタンジュン・プリオク事件(重大人権侵害事件)で係争中、ハイラワンは多数の活動家が誘拐された1998年当時の特殊部隊第4チームの司令官であった。
 ラフランドは、国軍が、人権侵害の犠牲者や家族の気持ちを無視していることは明らかだとし、国家人権委員会が過去の人権侵害を追及しつづけるとともに、国軍兵士の昇進に注意を払うよう要求している。(Suara Pembaruan, 05/02/05)
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by NINDJA | 2005-02-05 12:00 | 軍事作戦・人権侵害
 2月2日11時ごろ、大アチェ県メスジッド・ラヤ郡ヌフン村の避難民救援ポストのコーディネーターであるサラムディン(24歳)が、諜報合同部隊員によって殴打された。
 この諜報部隊員は、ネフン村避難民キャンプから1kmほど離れたウジョン・バテー丘陵地帯で、ダルウィン(25歳)を自由アチェ運動(GAM)メンバーだと非難して逮捕したばかりだった。
 ウジョン・バテーからの帰途、諜報合同部隊は、1740人が避難生活を送るキャンプを通り、救援ポストのコーディネーターがどこにいるか尋ねた。サラムディンが出て行くと、突然、諜報部隊員は彼を殴った。
 1月27日、諜報合同部隊はネフン村避難民キャンプを訪れ、キャンプ付近の丘陵地帯にGAMが潜伏しているという理由で、避難民キャンプに詰所をつくると述べていた。
 現在、ヌフン村には、3カ所に国軍詰所が建てられている。(CeSAR, 05/02/02)
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by NINDJA | 2005-02-02 12:00 | 軍事作戦・人権侵害
 とあるアチェ人権活動家・研究者は1日、ジャカルタで、ニンジャに対し、アチェでインドネシア国軍の情報作戦が活発になっていることを明らかにした。ニンジャがこれまで入手しているさまざまな事件とあわせて、作戦には、以下のようなパターンがあると考えられる。

○被災者に対する圧力
 国軍が避難民キャンプを支配しはじめており、記者と話してはならないという命令が出ている。情報作戦ではないが、避難民キャンプのなかには、自由アチェ運動(GAM)拠点であると非難され、物資を得ることができないキャンプも存在する(とくに北アチェ県)。

○取材制限
 たとえば、大アチェ県ロッ・ンガ郡ランプウクでは、陸軍特殊部隊が避難民に向けて発砲する事件が起きたのち、立ち入りが制限されている。避難民は、自分たちの家を確認に行ったところを撃たれた。この地域には、国軍の寮があり、国軍の武器が多く津波で流されたことから、国軍は武器の捜索をおこなっている。

○援助によるキリスト教化の噂
 外国援助機関・NGOの多くが欧米系であることから、キリスト教化の噂が流れている。ジャカルタなどで「外国人狩り」や繁華街襲撃をおこなっているイスラーム防衛戦線(FPI)や、爆弾テロへの関与疑惑をもたれているムジャヒディン評議会など、イスラーム急進派がボランティアとしてアチェに入った。GAMやアチェ住民は、イスラーム急進派に対して懸念を表明、彼らを拒否しているが、国軍は歓迎の意を表明した。そもそもイスラーム・テロリストと国軍の関係は、以前から指摘されているように、アチェでもイスラーム急進派「ボランティア」たちは、アチェ軍用飛行場に救援ポストを開いている。

○GAMによる治安攪乱の噂
 リャミザード・リャクドゥ陸軍参謀長は、津波後208人のGAMメンバーを殺害したと表明したが、いつ、どの地域で、誰を殺害したのかといった詳細は、まったく明らかにされていない。GAMが救援活動の脅威となっているというニュースが流されるが、国軍の情報作戦の一環である。
 外国援助機関・NGO・ボランティアなどで、アチェ情勢について理解しておらず、住民から情報を得られない場合、仮に国軍が自作自演で銃撃戦をおこなったとしても、国軍とGAMの武力衝突だと思ってしまう。物資輸送団が国軍に襲撃されても、国軍とGAMの区別がつかない。そのような人びとが、自分が体験した事件について、事実とは違う認識をもったまま語れば、知らず知らずのうちに国軍の広報をすることになってしまう。(NINDJA, 05/02/01)
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by NINDJA | 2005-02-01 12:00 | 軍事作戦・人権侵害