2004年12月26日に起きたスマトラ沖地震・津波でもっとも被害を受けたアチェ状況と支援活動について、インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA)が伝えます。


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 インドネシア国軍は27日、アチェ独立派と衝突し、兵士1人が死亡、1人が負傷したと発表した。この衝突は、フィンランドで継続中の和平交渉後初の武力衝突であった。衝突が起きたアチェ州では、津波以降多くの援助ワーカーが活動しており、その安全が懸念されている。
 州都バンダ・アチェの近郊大アチェ県で起きた衝突について、国軍も自由アチェ運動(GAM)も詳細を明らかにしていない。(Jakarta Post, 05/02/27)
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by NINDJA | 2005-02-27 12:00 | 軍事作戦・人権侵害
 ユスフ・カラ副大統領は25日、自由アチェ運動(GAM)との和平交渉が4月半ばにヘルシンキで再開される際に、特別自治プログラムの詳細を提示できるよう努力し、その実施方法において修正もありうると語った。「GAMは、特別自治が何であるか理解する必要がある。もちろん特別自治の枠組みに修正を加える可能性はある。しかし、すべての交渉はギブ・アンド・テイクである」
 また、カラ副大統領はGAMメンバーが州知事、県知事を含む地方選挙に立候補できる可能性があることも提示した。ただしこれはGAMメンバーが恩赦を受けた場合である。アチェ州はほかの州と異なり、アチェ人による評議会から承認された地元規約で地方選挙がおこなわれるが、分離主義運動に関与した者は選挙に参加できないように地方行政法が改正された。
 ウィドド・AS政治・法・治安調整担当相は、政府とGAMが、和平協定の草案をつくる前に、特別自治を含む相違点についてさらに協議すべきだという見解を示した。ウィドドは、GAMの自治政府案について理解に苦しむと言っている。「恐らくこれは語義の問題なのだろうが、何かを意味しているというのはたしかだ」
 いっぽう、GAM広報官のバクティアル・アブドゥラは、自治政府案について詳しく語ることを拒否し、「われわれは独立要求を引き下げたわけではない」と語った。
 自治政府の形態は、イギリス政府が北アイルランドに与えたものや、スペインのガラシア、バレンシア、バスク地方、デンマークのグリーン・アイランド、ファロー・アイランドなどの例がある。これら地域には独自の元首と議会がある。しかし、防衛や財務関係は中央政府の管轄下に置かれている。(Jakarta Post, 05/02/26)
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by NINDJA | 2005-02-26 12:00 | 和平への動き
○新たに2村で漁具の材料買い付け

 2004年2月24日は、ジャーナリストYさんの取材協力のため、終日、北アチェ県の人権侵害犠牲者などのインタビュー通訳をしていました。軍事戒厳令中、軍にレイプされそうになった女性(わたしの友人なのだが、2年ぶりに会って、頬がゲッソリこけていたのでショックだった)、2月19日に海兵隊に殴られたスヌドン郡の避難民などから話を聞きました。
 友人たちは、その間、ランチョッ村、ジャンボ・メスジッド村の漁具の材料の買い付けです。これで、6つの村への支援を開始することができました。

<ランチョッ村>
サウォッ・サベェ 55個
・材料費 55万9500ルピア
・竹購入費(1個2万5000ルピア、半額のみ前払い) 68万7500ルピア
・製作費(材料費込み1個6万5000ルピア、半額のみ前払い) 178万7500ルピア

サウォッ・シラン 45個
・材料費 977万9500ルピア
・竹購入費(1個2万5000ルピア、半額のみ前払い) 56万2500ルピア
・製作費(1個5万ルピア、半額のみ前払い) 112万5000ルピア

漁のための靴(1個6800ルピア) 68万ルピア

<ジャンボ・メスジッド村>
サウォッツ・サベェ 32個
・材料費 244万8000ルピア
・竹購入費(1個1万5000ルピア、半額のみ前払い) 24万ルピア
・製作費(1個4万ルピア、半額のみ前払い) 64万ルピア

サウォッ・シラン 11個
・材料費 228万4000ルピア
・竹購入費(1個1万5000ルピア、半額のみ前払い) 8万2500ルピア
・製作費(1個7万ルピア、半額のみ前払い) 38万5000ルピア

ジャラ(投網) 10個
・材料費 187万ルピア
・製作費(1個7万5000ルピア、半額のみ前払い) 37万5000ルピア

○ブラン・ニボン村で漁開始の儀式

c0035102_23153388.jpg 25日午後、最初に支援を開始したブラン・ニボン村で漁開始の儀式「プシジュック(Peusijuek)」がおこなわれました。イマム(イスラーム指導者)が、完成したサウォッに水をかけて清めます。その後、もち米と赤砂糖を食べ、いよいよ漁の開始です。
 サウォッは、思っていたよりも、ずっとずっと大きいものでした。わたしも漁に参加したいと考えていたのですが、かなり難しそうです。しかし、サウォッ・シランをもったおじさんは、くわえタバコのまま、軽々と海に入って行きます。あっという間に深いところまで行き、右へ左へと「ソロン」(押す)します。
c0035102_2316306.jpg 今日は、儀式ということで、5分ほどで、みなさん引き返してこられました。いまはサベェ(小さなエビ)の季節ですが、くわえタバコのおじさんのサウォッには、なんとブラック・タイガー2尾も入っていました。たった5分くらいだったのに!
 あと2カ月ほどすると、ブラック・タイガーの季節になるようです。
 村に戻って、暮らせる状態になっていなくても、こうして村で経済活動がはじまり、少しずつ復興へとつながっていくといいなぁと思います。
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by NINDJA | 2005-02-25 23:17 | NINDJAの救援活動
 ユスフ・カラ副大統領は24日、政府は6月か7月に自由アチェ運動(GAM)と和平協定を結べる見通しができたことを明らかにした。和平合意が締結されれば、GAMが地方選挙に出馬する可能性もある。
 GAMの要求である自治政府について、カラ副大統領は、統治できるのはGAMではなくインドネシア政府だとし、「自治政府はGAMに与えられない。そういう要求はあるが、政府はこれを承認しない」と断言した。
 これとは別にユドヨノ大統領は、アチェ復興のためにインドネシアが必要としているものは国の結束であることを強調、GAMに復旧プロセスや人道支援を妨害しないよう求めた。GAMの要求である自治政府について、ユドヨノ大統領は、アチェ紛争に終止符を打つ唯一の解決策は特別自治であるとし、国際社会もインドネシアの領土的一体性を強く支持していると強く主張した。
 いっぽう、東アチェ県プルラックのGAM広報官トゥンク・カフラウィは、亡命政府指導者が和平対話を継続することを賞賛した。「われわれは政治、現場指導者の決断に従う。もし、武器を置けというなら、それに従う」
 また、同広報官はヘルシンキ合意の結果、インドネシア国軍との武装衝突を避けるため、 GAM部隊が民間人に近づかないようにする方針であることを付け加えた。(Jakarta Post, 05/02/25)
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by NINDJA | 2005-02-25 12:00 | 和平への動き
 インドネシア政府は、アチェ紛争解決のための会合において、GAM代表団へのアドバイザーとしても仲介者としても外国の関与を拒否した。
 「わたしたちはこの問題を国際化したくない。外国の関与はファシリテーターに限定されるべきだ」とウィドド・AS政治・法・治安担当調整相は25日、ジャカルタで語った。
 いっぽう、GAM代表団は、国際アドバイザーとして、すべての協議に外国NGOを同席させていた。この外国NGOが、紛争の解決策として、自治政府案を提示している。(detikcom, 05/02/25)
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by NINDJA | 2005-02-25 12:00 | 和平への動き

●国連「治安は十分」

 国連は25日、イスラーム過激派が津波救援活動をおこなっている外国人を攻撃する可能性があるというオーストラリアの警告にも関わらず、アチェ州のセキュリティを強化する計画がないと明らかにした。国連人道問題調整事務所(OCHA)広報官は、現在の安全策で「さしあたり十分」と述べ、国連が活動している状況を認識していることも加えた。
 アチェで救援の取り組みを調整している国連は、現在、バンダ・アチェにある病院の隣で、野外で活動しているが、より安全な地元の大学への移動を計画している。(AP, 05/02/25)
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by NINDJA | 2005-02-25 12:00 | 外国軍・援助機関の活動
○ランチョッ村でプカット・ソロン支援決定

 朝、シャムタリラ・バユ郡ランチョッ(Lancok)村の避難民が来られました。11のグループごとにサウォッ・サベェ(55個)、サウォッ・シラン(45個)の希望者がリストアップされています。加えて、プカット・ソロンに出るとき、足の裏をケガしないよう、靴の希望もありました。詳細について打ち合わせし、24日に材料の買い付けに行きます。

○サウォッ材料買い付け

 ランチョッ村の避難民と話をしているあいだに、ムアラ・バトゥ郡クアラ・ムラクサ村、タナ・パシール郡マタン・バル村、東クアラ・クルト村の避難民もつづいて来られました。わたしを含めて5人では対応できないほどです。わたしが風邪を引いていた昨日、スケジュールの調整ができなかったようです。
 それぞれの村の人たちと、必要な材料について話し合ったあと、2組に分かれて、3人が、村の人たちと一緒にロスマウェに買い付けに行きました。同じサウォッでも、村ごとに、買い付けをする場所や、つかう網の種類や量などが異なるので、一気に買い付けることはできず、手間もかかりますが、それはそれで興味深いわけです。

c0035102_3433633.jpg<クアラ・ムラクサ村>
サウォッ・サベェ 23個
・材料費 235万5000ルピア
・竹購入費(1組2万ルピア、半額のみ前払い) 23万ルピア
・製作費(1個5万ルピア、半額のみ前払い) 57万5000ルピア
サウォッ・シラン 18個
・材料費 437万6000ルピア
・竹購入費(1組2万ルピア、半額のみ前払い) 18万ルピア
・製作費(1個7万5000ルピア、半額のみ前払い) 67万5000ルピア
ジャラ(投網) 24個
・材料費 495万3000ルピア
・製作費(1個10万ルピア、半額のみ前払い) 120万ルピア
合計 1454万4000ルピア=16万5273円(1円=88ルピア)

<マタン・バル村>
サウォッ・シラン 35個
・材料費 908万7500ルピア
・竹購入・製作費(1組3万ルピア、半額のみ前払い 52万5000ルピア
・製作費(1個5万ルピア、半額のみ前払い) 87万5000ルピア
合計 1048万7500ルピア=11万9176ルピア(1円=88ルピア)

<東クアラ・クルト村>
サウォッ・シラン 35個
・材料費 908万7500ルピア
・竹購入・製作費(1組3万ルピア、半額のみ前払い 52万5000ルピア
・製作費(1個5万ルピア、半額のみ前払い) 87万5000ルピア
合計 1048万7500ルピア=11万9176ルピア(1円=88ルピア)

○スヌドン郡の避難民キャンプでの人権侵害

 数日前、スヌドン郡の避難民キャンプ(2月9日の活動報告を参照)で、避難民が海兵隊に殴られるという事件が起きました。何とか、犠牲者の話を聞けないか、友人が避難民キャンプに行ってくれました。もちろん、キャンプでは話せませんので、ロスマウェまで出てきてもらうことになります。
c0035102_344173.jpg 帰ってきた友人いわく、スヌドン郡の避難民たちは、軍事戒厳令以降、15日に1度、海兵隊詰所に出頭する義務があったそうです。それぞれがメモ帳を買い、名前、村名、職業、出頭した日にちを記入、出頭した証拠にハンコを押してもらうわけです(写真)。
 しかし津波で、このメモ帳が濡れてしまったために、避難民たちは、出頭したら殴られるのではないか、と恐れるようになりました。出頭のことを考える余裕がなかった避難民も、もちろんいます。どうも、明日来てくれることになった避難民は、この出頭義務を果たさなかったということで殴られたようなのです。
 2月14日にも、スヌドン郡の避難民6人が殴られるという事件が起きています。6人が元の村で片づけをしているとき、西ウレェ・ルベック村の方向から銃声が聞こえ、その後捜索作戦をおこなっていた海兵隊に殴られたそうです。
 今日、うちに来てくれたタナ・パシール郡東クアラ・クルト村の避難民も、ロスコンに避難した同村の若者が、ロスコンのキャンプで逮捕され、東クアラ・クルト村に連れて行かれて、射殺されたと教えてくれました。1週間前のことだそうです。
c0035102_34455100.jpg ヘルシンキで、インドネシア政府と自由アチェ運動(GAM)の協議がおこなわれていますが、ここにいると、別の世界の話のような気がします。バンダ・アチェと違って、ほとんど外国人を見ることもありませんし、以前と変わらず、軍事作戦がつづいています。
 スヌドン郡からの帰り道、友人が警察機動隊のスウィーピング(一斉検問)に遭遇、写真を撮ってきてくれました。たぶん日本初のスウィーピング写真です。

○避難民からのプレゼント
c0035102_345223.jpg 夜、クアラ・ムラクサ村の避難民が来ました。なんと、彼の友人の養殖池で獲ったカニの差し入れです。まだ生きています。明日はカニをゆでるか、スープにして食べることになりました。
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by NINDJA | 2005-02-24 03:47 | NINDJAの救援活動
 エンドリアルトノ・スタルト国軍司令官は23日、ジャカルタにおいて、自由アチェ運動(GAM)とインドネシアの間の紛争を解決するための条件のひとつとして、GAM指導者が独自の政権を運営することを希望していることに、疑問を呈した。
 同司令官によれば、もし独自の政権というもが、中央政府から自由で離脱したものであるならば、独立という意味とまったく同じであるという。
 すでに報じられているように、GAMはアチェ問題解決のため、インドネシア政府に対し、独自の政権の運営とインドネシア国軍のアチェからの撤退を要求している。
 同司令官によれば、独自の政権が直接地方首長選挙を意図しているのなら、それは現在進めれれているところだという。また、GAMがアチェの特別自治の提案を受け入れるなら、歓迎すると述べた。
 しかし同司令官は、国軍がアチェから撤退するというGAMの要求については、同意しないと述べている。(TEMPO Interaktif, 05/02/23)
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by NINDJA | 2005-02-23 12:00 | 和平への動き
 自由アチェ運動(GAM)は23日、インドネシア政府と第3ラウンドの和平協議を4月にヘルシンキでおこなうことを発表、また、インドネシア政府がアチェの自治政府案の検討に合意したことと引きかえに、独立要求を引き下げることを明らかにした。
 第2ラウンドの和平協議は23日、1万2000人以上が犠牲になった30年におよぶ紛争の解決へ向けた進展を見せて終了した。コミュニケーション・情報相ソフヤン・ジャリルは「両者の考えにいぜん違いはあるものの、実質的な話を始めることができた。政府は特別自治を提案し、彼ら(GAM)は自治政府を提案した。これらの提案は交渉のテーブルにあり、そのコンセプトを議論する必要がある」とコメントした。
 GAMはいままで特別自治を拒否し、独立に固執してきた。しかし昨年12月26日にアチェを襲った津波をきっかけに、政府とGAMは話し合いに応じるようになった。
 GAMが独立のかわりに自治政府を受け入れることは何を意味しているのかがはっきりしないなど、まだ障害は残っていると専門家や政治家は指摘している。しかし、GAMの見解の変化は転換点となる可能性を示しているのはたしかだ。
 2002年に合意された和平協定が破綻した理由の一端は自治問題にあった。
 独立要求を断念したのかとの質問に対し、GAM広報官のバクティアル・アブドゥラは、「紛争は簡単に解決できない。こうして折り合いをつけていかなければならないのだろう」と答えた。(Jakarta Post, 05/02/23)
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by NINDJA | 2005-02-23 12:00 | 和平への動き
 自由アチェ運動(GAM)代表団の助言役ダミエン・キングスブリーは22日、フィンランド・ヘルシンキでおこなわれている、GAMとインドネシア政府の和平協議において、GAM側が独立要求を取り下げたことについて、一歩前進であり、一つの妥協であると述べた。「(独立要求を取り下げたことは)特別自治を意味するのではない。なぜなら特別自治は現状維持のことだからだ。GAMは、地方選挙に参加することを希望している」
 GAM広報官バクティアル・アブドゥラは、「この紛争は独立で解決できない。わたしたちが話している主要な事柄は独自の政権についてである」と語った。
 このように一部進展があったものの、GAMはインドネシア政府側に対し、アチェに駐留している国軍および警察部隊5万人を撤退させるよう依然求めており、またアチェ人が自決権を行使できるよう、国連監視下のもと住民投票をおこなうことも強く要求した。
 いっぽう、エンドリアルトノ・スタルト国軍司令官は23日、アチェでのインドネシア国軍による作戦パターンに何の変化もなく、政治的決定を待っているところであると述べ、GAMが独立要求を取り下げたことを歓迎している。「独立しようとする地域があることは不自然なことだ。単一インドネシア共和国から分離する方法で問題を解決してはならない。もし和平協議が失敗に終わった場合、政府がGAMに対して断固たる措置を取るよう希望する」
 またジョコ・サントソ陸軍参謀長は、アチェにおける国軍駐留について、現政権の政策であり、国軍は政治的決定に従って任務をおこなうと述べた。(Sinar Harapan, 05/02/23)
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by NINDJA | 2005-02-23 12:00 | 和平への動き